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40年前に埋めたインプラントの再生計画 続編
昭和50年代に埋めたインプラント。良いものであれば、40年経過しても使用することができます。
今日は昭和のインプラント治療を時を経て令和の現代に再生させたお話しの続きをしたいと思います。
「右下の歯が痛くてたまりません!」
右下の5番が折れてグラグラしています。

保存できないため、抜歯を行いました。

その後方には、インプラントが埋まっており、上部構造が入っています。
お話を聞くと、なんと40年前に埋めたものだとのこと。
40年前のインプラント。レントゲン画像とスクリューの形態から、ノーベルバイオケア社のブローネマルクスタンダードであることが分かりました。
この上部構造が再利用できるのであれば、5番相当部にメタルフレームをロウ着し、ポーセレンを焼き付けて5抜歯した部分に伸ばすイメージの上部構造に修理できます。
そうなると、1から作るよりもコストが抑えられます。
問題はスクリューが40年前のものであるため、現在のノーベルバイオケア社のドライバーに合致していないことと、そもそもスクリューが使用できるかという点です。
なんと、スクリューのねじ山がマイナスです。(最近のノーベルバイオケア社のスクリューのねじ山はマイナスはなく、六角です)。
マイナスドライバーはネットショップで販売していないので、直接ノーベルの窓口で購入しました。
ネジが壊れていたら一巻の終わりなので、注意しながらゆっくりと40年前の上部構造を外します。

緩んでいたので、トルクがほとんどかかっていない状態です。綺麗に外れました。
洗浄し、技工士さんに修理を依頼します。
(ティースクリエイティブの佐藤さんにはいつも素晴らしい技工物を作っていただいております。
無理難題ばかり言ってすみません!)
完成した技工物を再度インプラント体に戻して、スクリューを締め、スクリューホールを埋めて噛み合わせの調整をしました。
全く問題なく噛めるとのことです。


40年前のインプラントと上部構造。
これを外して修理して、再生させる。
時を経て、再度美しく綺麗になって患者さんの咀嚼の一員を担うことができました。
一番今回の件で伝えたいことは、どこのメーカーか分からないインプラントだとこうはいかないと言うことです。
このインプラントが、ノーベルバイオケア社の歴史のあるインプラントであり、現在でも一級品であるという事が、昭和の時代のインプラントを令和の時代に再生させることに繋がりました。
いいものは高いです。しかし、それなりの理由がありますね。
ご自身の体に埋め込むものですから、可能であれば、一流メーカーのインプラントを入れていただきたいと切に思います。
つばめデンタルクリニック川西では、インプラントの修理やメインテナンスを行っています。
昔のインプラントであっても、再生させる事が可能な場合があります。
基本的には埋めた医院さまでのメインテナンスや修理を行う方が、当時のカルテがあるため、スムーズに事が運びます。
しかし、インプラントを埋めた医院が閉院した、遠方など、やむを得ない理由がある場合も多いかと思います。
お悩みの方は、いつでもご相談ください。