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歯周病患者におけるインプラント治療の工夫(学会発表)

2月25日に東京新宿の京王プラザホテルにて日本口腔インプラント学会の学術大会が行われました。演題は【歯周病患者におけるインプラント治療の工夫】という内容で、講演をさせていただきました。

成人の約50%以上が歯周病に罹患しています。

歯周病は悪化すると歯槽骨が溶けてしまい、歯を磨くと血が出たり、酷くなると歯を抜歯することになります。

そうなると、噛めなくなるので、ブリッジや義歯、インプラントで歯を作ってお食事を取りやすくする必要があります。

しかし、ちょっと待って下さいよ。

歯周病というのは、骨が溶ける病気です。

歯周病を治さないでインプラント埋めて大丈夫なんでしょうか??

今回は以下のような内容を発表させていただきました。

歯周炎はプラーク性バイオフィルムが関わる多因子性の慢性炎症性疾患です。

歯周炎の既往はインプラント周囲炎のリスクファクターであるという強いエビデンスが存在していますので、適切な歯周治療を行った後にインプラント治療に移行することが必要です。

歯周病患者のインプラント治療における歯周病学的配慮事項をまとめ、歯周病患者における インプラント治療の工夫すべき点について考察しました。

歯周治療の流れに沿い、歯周初期治療と歯周再生療法を行い、口腔機能回復治療の一環としてインプラント治療を行った症例についても供覧しました。

考察および結論: (以下加藤の提出した抄録そのままです)

歯周病患者に対するインプラント治療は徹底したプラークコントロールの下プラークリテンションファクターを改善し,炎症のコントロールが行われた後に応用される必要がある.PPD≧5mm(BOP+),PCR> 20%,関連リスクファクターを有する場合はインプラント埋入前に歯周組織の再治療を行うことが推奨される.生物学的合併症に至る要素として,全身状況,喫煙,不十分な角化粘膜および骨質骨量,過重負荷,インプラントの三次元的位置,上部構造の設計と清掃性がある.角化粘膜の必要性に関しては意見の一致が得られておらず,ショートインプラントの有効性も評価されており,両者においては慎重に検討する必要がある.患者の状況に応じてリスク分類し,メインテナンスを行うことが重要である.

つばめデンタルクリニック川西では、まず、歯周病治療をきっちりと行なった上でインプラント治療を行うことを推奨しています。そして、インプラント周囲炎をおこしにくいようにインプラントの埋入ポジションを決定し、徹底した滅菌下でインプラントを埋入し、上部構造を装着します。可能な限りスクリューで止めることが良いですね。清掃やメインテナンスがしやすいですし、破折などのリスクにもすぐに対応できます。

メジャーなメーカーのインプラントを埋めれば、長期に渡ってパーツの交換などが可能になります。

格安インプラントはメーカーが倒産したら、2度と修理できません。

リスクが高すぎるので、私は絶対に使いません。当院では、ストローマン、ノーベル、アストラといったメジャーなインプラントを使用することを推奨しています。

そして、何より大切なのは、埋めた後のメインテナンスです。必ず問題がないかを確認して、定期的にインプラントのチェックを行う必要があります。

当院でインプラントを埋めた患者さまはご存知かと思いますが、インプラントの磨き方は天然歯とは違います。そして、当院でインプラント治療を受けた患者さまは、検診時のプラークチェックで一発合格の方が多いです!これ、素晴らしい事ですよ。衛生士の皆様、ありがとうございます。

インプラントは埋めたら長く使いたいですよね。そのためには、学術的・臨床的なエビデンスに基づいた手術・補綴と、メインテナンスが必要です。

学会発表は今後もしていく予定です。歯科医師は一生勉強。

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