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前歯が抜歯になりました。これ以上歯は削りたくありません。インプラントによる前歯の治療2
前回は前歯を破折して抜歯となり、インプラント治療を行った患者さんのインプラント埋入と同時にGBRを行いました症例の手術所見までを説明しました。
今回は、その後。術後から最終補綴物を製作し、上部構造を装着するところまで説明します。
埋入時期につきましては、抜歯後2~3か月程度の軟組織の治癒を待ってインプラント埋入を行いました。
このプロトコールは臨床的観点からいくつかの利点を有しており、一つは治癒後に抜歯窩が完全に軟組織で被覆されるため、創の閉鎖がしやすく骨再生に有利に働く角化粘膜量が増加すること。
二つ目の利点としましては、抜歯後の治癒期間の初期には破骨細胞活性が上昇することが示唆されていますが、早期埋入ではこのような初期の破骨細胞活性時期はインプラント埋入時にはすでに終了している事。
3つ目の利点としましては、抜歯窩であった部位の軟組織の厚みが増している点です。血液供給能が高く、治癒能力が高い軟組織となっていることは大きなメリットです。
最後の利点としましては、抜歯時に感染源が除去されているため、感染リスクを下げられる点です。
以上の点から、早期埋入を行いました。
術後2か月程度で、二次オペをおこないました。
しっかりと角化粘膜が治癒していたため、U字切開を加え、この有茎弁を唇側の浅い空間に織り込み、ヒーリングキャップと縫合にて固定することで軟組織のボリュームを増やすことに成功しました。
ここからさらに2か月おいて、プロビジョナル(仮の歯)の印象(型)をとりました。
その後、最終印象を取り、技工物を製作しました。
チタン製バリオベースにジルコニアクラウンを接着。スクリューで固定する技工物を製作しました。
ジルコニアクラウンは白ければよいわけではなく、この画像を見ていただいてご理解いただける通り、ちゃんと歯の色をつける必要があるんですね。前歯すべてを白くするのであれば、すべて削って真っ白なジルコニアクラウンを入れたらよいのですが、今回はほかの前歯に色を合わせる必要があります。一本だけ白くてもおかしいですよね。なので、詳細な写真を撮り、歯科医師である加藤と、ホワイトニングコーディネーターの資格を持つ衛生士などにより、しっかりと色を確認して技工士に伝えます。
この最終技工物を製作するために型を取るのですが、そこもこだわって取ります。
カスタムの印象用コーピングを使って型どりをするのですが、そこはマニアックに走りすぎるので、、、割愛します。
興味ある方は、直接聞いてください。
さて、最終補綴。
長かったですね。患者さんとても嬉しそうでしたよ。これでこの暑い夏もアイスバー食べられますね。お食事と会話を、ぜひ楽しんでください。
上部構造装着後のCT画像です。
増生した骨も問題なく機能しています。
レントゲン画像はこちら
治療前後のスマイルの比較をしてみました。歯を入れると、自信をもって笑えるようになるため、口角がしっかりと上がります。
つばめデンタルクリニック川西では、前歯に関するお悩みを随時受け付けています。
前歯の形や色を改善する方法、そして、失った前歯を補綴する方法は多岐にわたります。
ホワイトニング、ブリッジ、インプラント、審美性の高い義歯。ジルコニアクラウン、ラミネートべニア。
いずれも対応可能です。歯を削りたくなければインプラントや義歯についてお話しますし、あまり治療期間をかけずに美しい前歯を手に入れたいご要望がある方は、ブリッジなども対応します。
ジルコニアのロングブリッジも問題なく対応可能です。大きな補綴であっても、精度の高い仮歯を入れますので、治療中歯がないということはあり得ません。
それではまだまだ暑い夏はこれからですが、みなさま、お体ご自愛ください。
くれぐれもサマースポーツで前歯をぶつけないよう、ご注意を!