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エルビウムヤグレーザー(Er:YAG)でメタルタトゥーの除去②
それでは今日の症例です。
前歯のメタルタトゥーを除去してほしいとのことで、来院されました。
メタルタトゥーを除去するためには、まず、現在入っている金属の補綴物を外す必要があります。
せっかくレーザー治療によってメタルタトゥーが除去されても、原因となっている金属が残っている状況ではメタルタトゥーが再発するリスクが残りますからね。
この患者さまの前歯には、硬質レジン前装冠が被せてあり、さらに内面は根の中から銀合金で補強されていました。メタルコアと呼ばれる歯の補修方法です。
硬質レジン前装冠とは、フレームを金属で製作し、見えるところだけを樹脂でカバーして白くする方法です。
このメタルコアと硬質レジン前装冠からメタルタトゥーが発生していました。
この場合、被っているクラウンだけではなく、根の中の補強芯(メタルコア)も外します。
硬質レジン前装冠だけを外すのでは不十分です。なぜなら、そのさらに中にあるメタルコアの金属が溶け出す事で、メタルタトゥーは形成されますからね。
メタルコアを外すためには、極力歯を削らず、超音波スケーラーを用いて慎重に外します。
ゆっくりと、確実に。
メタルコア除去後は根の治療を行います。根の中の古い根充剤を除去し、何度か根管の清掃をします。根尖病巣が治癒したことを確認して、根の中を根充剤で再度埋めます。補強芯としてファイバーコア(メタルを使用しないコア)を入れ、仮歯を入れます。
無事にメタルフリーとなったこの段階で、レーザーを照射します。
今回は2回照射しました。照射回数はメタルタトゥーの大きさや範囲により異なります。
レーザー照射後、治癒を待ちます。
治癒後、最終印象を取り、ジルコニアクラウンで補綴しました。
治療期間は約4ヶ月。根の治療を行ったため、少し時間がかかりましたが、患者さまの満足がいく仕上がりになりました。
つばめデンタルクリニック川西では、エルビニウムヤグレーザーを用いた色素沈着の除去を行っています。
健康保険適応外です。レーザーによるメタルタトゥーの除去は、ワンショット15000円から行うことが可能です。
メタルタトゥー除去以外にも、メラニン色素の除去、知覚過敏の処置、口内炎の治療、インプラント周囲炎の治療、歯周外科など、レーザー治療は多岐にわたります。
いずれも当院にて治療を受けることが可能です。
いつでもお気軽にご相談ください。スタッフ一同、患者さまにとって最善の治療を提供できるよう、全力を尽くして診療にあたります。