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第49回日本口腔インプラント学会学術大会に参加してまいりました。

 

9月20日〜22日開催の第49回日本語口腔インプラント学会学術大会に参加してまいりました。

大阪大学歯学部口腔分子免疫制御学講座予防歯科学分野教授の天野先生の講演が非常にわかりやすく、面白かったため記載します。

歯が20本以上残っている割合は、50代で93.5%、60代で80.0%、70代で60.0%、80代で37.2%という統計結果が出ています。
無歯顎の割合は、50代で0.6%、60代で2.0%、70代で6.9%、80代で20.3%です。
そして、歯を失う原因の一つに歯周病があります。
正常であれば口腔内の細菌叢は低病原性です。それが、細菌叢と歯周組織の均衡が崩れ、microbial shiftが起こると、歯周病を発症します。

口腔内には、最強の歯周病菌、Porphyromonas gingivalisがいます。この菌は18歳以上で唾液により感染します。パートナーからの感染や、食器についた唾液でも感染します。また、ペットの犬や猫からも感染することが分かっています。
他にも、いわゆる善玉菌、日和見菌が存在しています。
日和見菌は勢いのある菌の方につく性質があり、このPorphyromonas gingivalisが一気に増えて歯周病が悪化するというわけではなく、日和見菌がPorphyromonas gingivalisの味方をすることでmicrobial shiftを引き起こし、歯周病が進行します。

 

つまり、細菌は協力して時間とともに病原性を高めていくということです。
そのため、定期的なprofessional oral careを受けることで、細菌をおとなしくさせる必要があるのですね。

歯を磨くと出血するというのは、歯茎を傷つけて出血している訳ではありません。
歯周ポケットの内縁上皮が潰瘍を形成し、容易に出血するため歯を磨くと歯周ポケットから血が出るのです。

血液の中には赤血球ヘモグロビンのヘミン鉄が含まれています。
この鉄こそが歯周病菌の大好物!
血がなければ食料のヘミン鉄がない、お腹が減って仲間が増やせない状態ですが、出血してくると、ヘミン鉄は美味しいな〜、どんどん仲間増やしちゃおう!という状態になります。鉄分を得ると歯周病菌は桁外れに増殖します。
歯周病の治療とは、均衡崩壊した細菌と歯周組織の関係を、元に戻す、reverse microbial shiftが必要になります。

そのためには、歯科医院で定期検診を受けて必要なブラッシング方法を確認し、PMTCによりバイオフィルムを除去し、ルートプレーニングやフラップオペにより歯石除去と汚染セメント質の除去を行い、更に舌苔も綺麗にすることが必要です。

舌ブラシは歯周病治療においてかなり重要な意味がありますから、是非やってみてください。口の中がスッキリし、味覚がはっきりしてきますよ。