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名医と繋がる!たけしの家庭の医学の堀ちえみさんに思うこと。舌がんの診断について。

名医と繋がる!たけしの家庭の医学の3月17日の放送に堀ちえみさんが出演され、舌がんステージ4からの闘病生活、リハビリについて語られました。

 

舌を切除し、太ももの組織を移植し、舌の再建術を受けられました。

術後は壮絶なリハビリを行い、ゼロから発音を獲得されたとの事。

 

幸い、現在は再発もないようでお元気そうな様子を拝見でき、嬉しくなりました。

 

堀さんは、歯科医院にて口内炎の診断を受けたものの、なかなか治らず、痛みが徐々に強くなっていかれました。激痛から食事を取ることが困難になり、睡眠中に激痛で目が覚めるようになり、組織から出血するようになっていた、とのこと。

その後口腔外科を受診し、舌がんの診断がついた時期にはリンパ節にも転移しておられました。

 

放送の中で、口腔外科のドクターに、

「もっと早く分からなかったものなのですか?」

と質問するシーンがありました。

口腔外科のドクターの回答は、

「我々は腫瘍に関する研究を日々行っています。そのため、もっと早期に発見する事は可能だったと思います。」

というものでした。

 

私の診療室にも時折治りにくい口内炎を主訴に受診される患者さんがおられます。

初期の舌がんは口内炎との見分けもつきにくいものがあり、また、アレルギーから炎症が起こっているようなケースもあるため、今までの経緯(痛みの変化、大きさの変化など)を問診し、口腔内を拝見します。

 

噛んだり尖った歯が擦れたり、不良な被せ物が擦れたり、など外傷性の潰瘍であれば、通常、原因が除去されると1週間程度で縮小します。

 

難治性の潰瘍やびらん、腫瘤(2週間以上)を形成している場合や、粘膜の炎症や発赤、こすってもとれない白斑、境界不明瞭な硬結や腫れなどを伴う場合は癌である可能性が高いです。

また、潰瘍を形成していたり、腫瘤状に変化している場合、また、硬結を伴うような場合は更に浸潤している可能性があります。

 

確定診断には、バイオプシーを行い、病理組織検査を行うことが必要です。

 

舌がんの鑑別診断としては、口内炎、アレルギー性の炎症、白斑症、扁平苔癬などがあります。

 

私は治りにくい口内炎は舌がんを疑って精密検査を依頼します。

九大病院の口腔外科で多くのケースを見て参りましたので、経過観察で良いケースか即時に精検が必要なのか、というのは経験からある程度は分かります。

それでも、判断に迷うケースはやはりゼロではありません。

迷った時は、自己判断せず、大阪大学や池田市民病院など口腔外科専門の外来を持つ病院を紹介して精査を勧めています。

 

それが、口腔外科出身であり、地域診療を担っている、私の責任だと思うからです。

 

口腔がんの見逃しゼロを目標に、つばめデンタルクリニック川西は日々診療を行なっています。

 

不安のある方はご相談ください。